横浜たそがれ
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ファン歴30年を誇る管理人の独断と偏見に満ちた横浜ベイスタ-ズと湘南シ-レックスについて熱く語るペ-ジである。 |
2013年 横浜の進むべき道!(ドラフト編) |
今回は、管理人の主観もろ出しで、2013年度のベイスターズのドラフト戦略を考えてみたいと思います。もちろん、下記に記したようなチーム事情を前提にしながら。 <1位指名を考える> まず今年のドラフト会議は、次の3人を中心に話が進んできます。 松井 裕樹(桐光学園)左腕 3~4球団競合 言わずと知れた今年の話題性NO.1選手。地元選手であり、チームに不足している若年層左腕投手というチーム事情からしても、まず1位指名は、この選手で間違いないでしょう。昨年甲子園で22奪三振を奪い、一躍世間の注目を集めました。しかしその時は、ストレートとスライダーの単調な勢いだけの投手。しかしこの一年の間に、カーブやチェンジアップでも勝負できる力量を身につけ、ボールの質・コントロールとも大きく改善してきました。そういった目的意識の高さ・問題を解決できるセンスなどもしっかり持っており、勝負どころでも能力を最大限に発揮できる爆発力は素晴らしいものがあります。 プロだとあのスライダーが見極めされてしまうのではないか、コントロールの悪さ、癖のある投球フォームなど、確かにプロを想定すると不安要素は少なくありません。ただそういったものを度返しできる人間力を持っており、大学・社会人含めても、今年のNO.1左腕であることは間違いありません。藤浪 晋太郎(阪神)のように一年目から二桁勝利とか、そういった完成度はありませんが、菊池 雄星(西武)のような、三年目ぐらいでものになる、そういったタイプの選手だと思います。それを覚悟の上で、チームが焦らず育てる覚悟があるのならば、1位指名に踏み出して好いと思います。人間的にも買える人物ですし、ドラフトの目玉に相応しい選手といった感じが致します。 大瀬良 大地(九州共立大)右腕 3球団ぐらい 2013年度のドラフト候補の中では、最もスケールを感じさせる馬力が魅力の豪腕。150キロ台を連発するストレートは魅力で、変化球レベル、コントロールも悪くありません。間違いなく開幕ローテーション入りできる素材で、10勝前後は1年目から期待できるでしょう。 ただ自慢のストレートは、開きが早く見やすいのと、球質が球威型で空振りが誘えないので、打者としては球威で詰まらされることはあっても、合わせられないことはありません。また大学1年生ぐらいから、現在に近い力量を持っており、リーグ戦の内容で満足してしまったのか、資質を伸ばしてゆくピッチングを広げてゆくといった、そういった欲が感じられません。 なんとなく10勝したら10敗もしそうなタイプであり、澤村 拓一(巨人)に近いものが感じられます。九州共立大というベイとは縁が遠そうな関係のチームであり、この選手に鞍替えすることはなさそうです。主に、西の球団中心に競合しそう。 吉田 一将(24歳・JR東日本)右腕 3、4球団ぐらい 190センチ台の大型投手ですが、フォームはオーソドックスで、ボールにも凄みはありません。何が素晴らしいか言うと、安定した制球力と、常にいつも能力を発揮できる精神面に素晴らしさがあります。ですから、年間を通してコンスタントに働いてくれるのではないかと期待が持てます。そして社会人野球最大の舞台である、都市対抗で最高のパフォーマンスを示せる、調整能力・意識の高さ・最後まで自分の投球を貫ける集中力に素晴らしさがあります。 物凄いピッチングで相手をねじ伏せるというよりは、7回、2,3失点で試合を常に作れるタイプ。2013年度の候補の中で、最も失敗しないだろうなと思わせる安心感がある素材です。即戦力で計算できる選手が欲しいチームから、今最も熱い視線を浴びています。ひょっとするとドラフト会議では、この選手に一番人気が集まるかもしれませんし、チーム事情からすればベイが一番今必要なタイプではあります。 <ハズレ1位を考える> ここからは候補が多くなるので、ベイスターズと関連が深そうな選手に絞って取り上げたと思います。 岩貞 祐太(横浜商科大)左腕 140キロ台中盤のキレのあるストレートとスライダーを武器にする、大学NO.1左腕です。特に地元・横浜商科大の選手なので、松井を外した場合の左腕として注目しているのでしょう。この選手、ボールに勢いがあるので、始めて観る人にとっては、とっても見栄えがする投球をします。そのため、おっ!と思うのですが、毎回のように同じ打たれ方を繰り返す学習能力の無さがネックです。 基本速球とスライダーのコンビネーションなので、相手に投球パターンを見極められて打たれます。特に右打者には制球がアバウトになり、打ち込まれます。左打者には球筋が安定しており、左対左の有利さがあるのと、ボールの勢いでリリーフならば活路を見出すことができるのではないかとは思います。ただこの三年間、毎度のように同じような打たれ方を見せられてきた人間からすると、プロでどうなのよ? という不信感は拭えません。 石川 歩(25歳・東京ガス)右腕 大学時代から速球派として期待されておりましたが、社会人の2年間は殻が破れませんでした。3年目の今年になって、大きく飛躍した投手です。精神面の充実にも目を見張るものがあり、チームではエースとして粘り強い投球を披露。しかし最大の魅力は、イメージを一変させるリリーフでの投球にあります。 リリーフだと150キロ級のボールを連発し、柔らかい腕の振りも相まって、わかっていても打てない球を投げ込みます。ベイスターズとの交流戦でも、全く二軍の選手は手も足も出せませんでした。そういった凄みは、今年の候補でも一番ではないのでしょうか。先発だとローテーションに入っても5勝前後ぐらいだと思いますが、リリーフならば一年目からセットアッパー・クローザー級の活躍が期待できると思います。個人的には、ハズレ1位はこの選手でいって欲しいと思っています。 しいて心配な点をあげるとすれば、社会人3年目で頭角を現したように、環境適応が遅く、ややのんびりしたところがある点でしょうか。そのため一年目から爆発的な活躍を望めるかは、少し心配な部分があります。 東明 大貴(24歳・富士重工)右腕 先発をさせた時の常時145キロ前後~150キロ級の球速は、社会人でも1,2を争う速球派です。ただプロで即戦力を期待するにしては、変化球がショボイのが気になります。ストレートで押せても、最後仕留めきれる球がありません。そういった意味でも、彼はリリーフならばなんとかといった感じで、先発してはあまり期待できません。社会人に入ってパワーアップしましたが、以前よりも投球が粗くなっている点も気になります。ベイとの関係では、大学が桐蔭横浜大と地元の選手なので、その辺の関係もありハズレ1位候補として名前もあがっています。 浦野 博司(24歳・セガサミー)右腕 速球と変化球とのコンビネーションが抜群で、好調時では今年の候補の中でも一番の投球をします。しかしそういった投球が、一年で数えるほどしかできないのがネックです。社会人に入ってから1年半パッとしなかったのですが、今年の都市対抗予選で調子が上がります。2度のJR東日本との対戦で、吉田 一将との投げ合いを制すなど、好調時の実力は今年のNO.1ではないかと。 しかしキレ型の球質なので、ボールが145キロを超えるような勢いがないと、球威不足で全く見栄えがしなくなります。またプロの打者ならば、甘くなった球を容赦なく長打してしまうでしょう。爆発力は凄いですが、コンスタントではないという大きな欠点があり、プロではどうなのかな?と不安がよぎります。そうでなければ、文句なし1位競合レベルなのですが・・・。 杉浦 稔大(国学院大)右腕 春先の内容ならば、開幕からローテーション投手として期待のかけられる内容でした。しかしこの秋はイマイチで、春よりも物足りない投球をしています。吉田 一将(JR東日本)同様に凄みは感じませんが、速球と変化球とのバランスの取れた先発型。ボールの伸びがよく、追い込むと縦の変化球なども使えます。今年の春並の投球ができれば、ローテーション投手として、7,8勝は一年目から期待できるのではないのでしょうか。 (ベイスターズの1位を考える) 恐らくベイが一位指名する選手は、この中の誰かだと考えています。ただ1位指名の3人を除くと、チームの課題である先発としてはどうか?という疑問が残ります。浦野に関しては、好調時ならば先発で充分イケますが、本当に2年間でいい時期は一度しか見たことがありません。大学時代も、ドラフト指名後の神宮大会で150キロ台の球を連発して、何故指名されなかったんだと言われていたような選手でした。好い選手ですが、アテにデキないタイプということでしょうか。 ベイスターズの1位は、松井 裕樹(桐光学園)で確定的ですし、私もそれで好いと思います。吉田あたりが単独で獲得できるのであれば、鞍替えもありだと思いますが、3,4球団競合するのであれば 松井で好いと思います。問題はハズレた時で、これはどの球団も恐れていること。特にウチの場合、ハズレた時に野手や高校生に走るといったチーム事情ではないので、即使える投手といった選択肢になります。個人的には、先発もできなくはない石川 歩(25歳・東京ガス)か、どうしても先発タイプにこだわるならば、杉浦 稔大(国学院大)投手を推したいと思います。 <2位指名以降を考える> 今年の2位指名は、パ・リーグからに決まっています。すなわちベイスターズの2巡目は、全体の4番目にまわってきます。恐らくこの頃には、上記のハズレ1位候補にあげた選手はまず残っていないとみて好いでしょう。また毎年2巡目の最初のあたりで、即戦力なりえる先発はいなくなります。そうなると、かなり際どい順番だと言えます。では、2巡目以降に回りそうな即戦力候補をあげてみたいと思います。 高梨 裕稔(山梨学院大)右腕 西武の 岸 孝之 投手のような、柔らかさを持った素材で、140キロ台中盤のボールの勢い・伸びは素晴らしく素材としては一級品。ただこの選手基礎体力がないので、試合序盤は好いのですが、試合中盤になると極端にスピードが落ちてきたり、シーズン序盤は素晴らしいけれど、シーズン終盤になるとバテバテになるなど、プロ入りしても1年間ぐらい基礎体力作りに励まないといけないでしょう。そういった意味では、2年目ぐらいからはローテーション投手として期待できますが、真の即戦力として考えるのは厳しいと思います。 白村 明弘(慶応大)右腕 独特のスピンの効いたストレートは魅力ですが、先発ではランナーを出すとガタガタと精神的な脆さが出てしまいます。そのため中々先発では結果が出ませんでした。しかしこの秋はリリーフに転向してから好調で、新たな可能性を見出すことができました。先発しては期待できませんが、ボールの勢いは一級品なのでリリーフとしてならば即戦力になるかもしれません。 久里 亜蓮(亜大)右腕 素材としての迫力・上積みはありませんが、安定した制球力・経験豊富なマウンド捌きで、大学球界を代表する好投手です。ただボールに訴えかけて来る迫力がないので、現状の内容だとプロのローテーションまでは厳しいのではないかと。大学生に通用しても、プロの打者では通用しなかった「東都の不沈空母」高市俊(青学-ヤクルト)とダブルものがあります。ただ久里自体が、140キロ台を連発できる能力は秘めているので、リーグ戦のように連投などを想定せずにキャパを出しきった投球ができれば、プロでも通用するかもという期待もあります。現状のピッチングでは厳しいけれど、彼の秘めている能力を発揮できれば想像以上にやれるかも・・・。この辺をどう判断するかは、悩む部分です。 三上 朋也(JX-ENEOS)右腕 190センチ台の大型投手ですが、今年の途中から腕を下げてサイドスローに転向。これにより制球が安定してきたのと、横手特有のスライダーの曲がりが大きくなりました。都市対抗の頃はスピードダウンして素材としての魅力が損なわれたように見えたのですが、先日観戦した東アジア選手権の壮行試合では、140キロ台中盤の球速をマークし、この日登板した東明・浦野・吉田などのドラ1位候補以上の投球を魅せました。元々好不調の波が激しい選手なので、いつもこういったピッチングができるのかは微妙ですが、2、3位ぐらいで彼らと匹敵する潜在能力の選手を獲得できるのは美味しい指名だと言えるでしょう。投球に幅が出てきたいま、先発でもある程度試合は作れそうです。 金平 将至(東海理化)左腕 変則の大型左腕ですが、力強いボールを投げ込んできます。ただ左投手にしては、左打者にあまり強くないのと、荒っぽい素材でコントロールにもバラつきがあり、本当に即戦力になり得るかは微妙だと思います。コントロールを直すためにフォームをいじって、なんの特徴もない投手になりかねません。指導力のないベイのようなチームは、あまり手を出さない方がよさそうなタイプ。 秋吉 亮 (パナソニック)右腕 ちょっと癖のあるフォームの力投派サイドハンドです。140キロ台中盤のストレートをズバッと、コーナーに決められるなどリリーフならば面白い存在だと言えるでしょう。チームでは不動のエースですが、イマイチ好投が報われず勝ち味に遅いタイプであるように思います。ベイスターズでは、加賀繁をもう少し力投派で速球派にしたようなタイプとなります。今後の上積み抜きに、一年目から勝負といった選手ではないのでしょうか。 <2位指名を考える> 他にも候補になり得る選手はいるのですが、主だったところを簡単にご紹介して見ました。こうやってみると、リリーフタイプだったり、先発が出来たとしてもスケールに乏しい(今の力では厳しいのでは?)、素材として即戦力になり得るのかアテに出来るタイプなのかなどの不安要素が多いのも確かです。昨年の三嶋(ベイスターズ)・小川(ヤクルト)・則本(楽天)のような、2位指名で即戦力を狙えるという人材は、今年の場合極端に不足していると言えるでしょう。 ここはあえて思い切って、2位指名を野手に切り替えるという方法もあります。そこで有力候補にあげたいのが 岡 大海(明治大)外野手 大学では長く二刀流として過ごしてきましたが、ここに来て野手一本に専念すると決意致しました。元々投手としても140キロ台後半を連発できる強肩に脚力もありますし、打者としての潜在能力の高さもピカ一です。下記の野手展望のところを読んで頂けるとわかると思うのですが、ベイスターズの外野手は人数こそいますがポジションを固定できるほどの圧倒的な選手・将来を託せる外野手が少ないのも確かなのです。まして今年の補強は、ドラフト以外は投手補強中心になるでしょうから、野手補強はできません。それで外野手を刺激する、将来を見越す意味でも潜在能力の高い野手の獲得に切り替えるのも手です。ただ彼が上位12名もしくは、2巡目の最初の方で消えてしまう可能性も否定できません。 渡辺 諒(東海大甲府)遊撃 ハズレ1位ぐらいでは消えてしまうと思いますが、今年は何処もバッテリーを欲している球団が多く、こういった有力野手が2巡目ぐらいまで残る可能性があります。ニ遊間候補の優先順位は低いのですが、若年層の野手はチームでも不足しており、A級の素材が残っていれば、見過ごすことはないと思います。個人的には、今年のドラフトで一番惹かれるのはこの選手です。 あくまでも投手補強が上位指名の基本線ですが、仮に彼らのようなA級の野手が残っていた場合は、2位指名でも指名して好いのではないのでしょうか。 <3位以降は> 上記の選手が3位まで残っていれば、彼らを狙うことを優先し、彼らが残っていないようならば、西宮 悠介(横浜商科大)や濱矢 廣大(HONDA鈴鹿)左腕のような、ハマったら大きそうな素材型左腕を混ぜるか、平田 真吾(HONDA熊本)や又吉 克樹(香川OG)投手などの、リリーフでも即戦力になりえそうなタイプを模索するなど、上位4名中3名は、投手で好いのではないかと思います。ただ今年の場合は、左右にこだわらず即使える選手中心に獲得すべきだとは思います。 また今年の場合野手に関しては、ドラフト以外の方法での獲得が難しいチーム事情から、山川 穂高(富士大)のようなスラッガー候補や嶺井 博希(亜大)捕手のような大学・社会人の野手を加えて、現有戦力を刺激するのが好いと考えます。野手人数が足りないと野手編のところに書きましたが、若年層(高校生)の野手に関してはドラフトの下位や育成枠あたりで補っても、今年の場合は好いと考えます。若い野手はチームの将来のために揃えたいですが、優先順位は後ろになります。 またドラフトの後ろの順位で今年も、都市対抗で一番の投球を示した 豊田 拓矢(TDK)投手や大城 基志(JX-ENEOS)投手のような、ドラフト適齢期を過ぎた選手に声をかけてみるのも面白い指名ではないのでしょうか。今後追加の退団者や育成枠に落とす選手などを考えても、今年のドラフト指名は6名ぐらいになるのではないのしょうか(育成枠は除く)。 |
2013年 横浜の進むべき道!(投手編) |
チーム 防御率 4.50 は、セ・リーグはおろか、DHのあるパ・リーグを入れてもダントツの最下位。得点能力がリーグ1の打線を持ってしても得失点差が50点以上あるのだから、借金15個にのぼるのもある意味必然といえば必然。ここ数年同じことを言っているが、やはり投手陣を優先的に補強するしかないということになる。統一球導入で基準を下げていたが、ボールが変わってもあえて基準は変えないことで、他球団にも負けない投手陣を目指したい。毎年ハードルを他球団より下げないと、選手の頭数が揃わないと言っていたが、それではダメだとハッキリ認識したのでボールが変わっても、基準は変えないことにする。 (先発投手編) 今シーズンのチーム防御率は、4.50。総得点が630点であり、それを年間試合数144で割ると、1試合あたり4.38点となる。すなわち最低でも先発ならば3点台は残してもらわないと、強力打線を持ってしても補いきれないことがわかる。更にCS出場を意識するのであれば、防御率 3.50 を基準に先発陣を考えてみないと厳しいだろう。ちなみにCSに出場したセリーグ3チームは、いずれもチーム防御率が3.50 を切っていた。 三浦 大輔(41) 27試合 9勝13敗 防御率 3.94 藤井 秀悟(37) 21試合 6勝 5敗 防御率 3.54 三嶋 一輝(24) 34試合 6勝 9敗 防御率 3.94 須田 幸太(28) 14試合 6勝 3敗 防御率 4.83 井納 翔一(28) 18試合 5勝 7敗 防御率 5.34 こうやってみると、誰一人防御率 3.50 の基準を満たせてはいないし、防御率3点台を保った3人のうち2人は、超ベテランの三浦と藤井。来年も同様の成績を期待できるのか、更にワンランク上の投球を望めるかと言われれば、甚だ疑問が残る。更に須田・井納に関しては、12球団ワーストのチーム事情だからこそローテーションに入れてもらえるレベルであり、来季への期待はあっても計算できる戦力ではない。このオフの横浜の進むべき方向性は、FA・メジャー帰り・トレード・新外国人・ドラフトを駆使して、先発を期待できる投手を、最低5人は用意することにある。すなわち、今のローテーション投手を全員追い出すぐらいの補強をしなければいけない。当然そのような補強がなされれば、現有戦力も黙ってはいないだろう。そう投手陣に、危機感を煽ることが最大の目的となる。 更に深刻なのは、このメンバー以外に来季期待をかけたい選手がいるのか?と言われれば、正直名前があがらない。今年期待してダメだった、高崎健太郎(29)・国吉 佑樹(23)・加賀美 希昇(26)・小杉 陽太(29)の先発経験のある彼らの巻き返しに期待するぐらいしかない。それにしても散々期待をかけ経験積ませてきた彼らが、大きな怪我をしたわけでもないのに、揃って使い物にならなかったというのは、どういうことなのだろうか? ファームで規定投球回数を満たしたのは、 伊藤 拓郎(21) 18試合 8勝4敗 防御率 3.97 高卒2年目の好成績は評価できるが、帝京高校時代の140キロ台後半のストレートは陰を潜め、今や130キロ台のストレートは、ファームではともかく一軍では厳しいだろうなという印象。そのファームでも、防御率 3.97 という数字だけに、来年期待の若手として抜擢できるのかには疑問が残る。むしろ期待度という意味では、 眞下 貴之(23) 6試合 3勝1敗 防御率 3.09 と数字としては並だが、課題だった球威・球速不足は完全に払拭されつつある。貴重な若手先発候補として、春季キャンプでのアピール次第では、面白い存在になりえるかもしれない。リリーフではまだ面白い選手がいるが、先発で期待できるのはこのぐらいだろう。 (どうやって先発陣を揃えるのか?) 5人の先発を、どうやって集めるのか? まずはFAから考えて行きたい。 <FAでの補強を考える> 今シーズン、FAの有力選手だと言われるのが、 涌井 秀章(28) 45試合 5勝 7敗7S 防御率 3.90 中田 賢一(31) 40試合 4勝 6敗0S 防御率 3.40 大竹 寛 (30) 25試合 10勝10敗0S 防御率 3.37 となっている。近年の充実ぶりを考えると、大竹が一番だと考えるが、そもそも大竹がわざわざ、広島より弱いセ・リーグチームに移籍して来るのかという疑問が残る(よほど関東に戻りたいとかいうのがあれば別だが)。中田が仮に中日を出たとしても、縁も縁もない、我が横浜を選択するというイメージはどうしても沸かない。唯一可能性があるとすれば涌井なのだろうが、恩師・伊東監督のいるロッテが有力とされている。更に今季もリリーフで終盤ようやく形になってきたが、先発として計算できるかは微妙。まして人的補償を求められてまで、獲得するほどの選手なのかはどうなのだろう。 いずれも手をあげたところで横浜を選択するとが思えないが、とりあえずこの三人が宣言するようならば、積極的に手をあげておけとは言いたい。 <海外からの復帰組を考える> 松坂 大輔(34) 7試合 3勝 3敗0S 防御率 4.42 海外組からの最大の目玉は、永年ラブコールを送っている 松坂 大輔 ということになるだろう。しかしシーズン終盤にメジャー復帰を果たし3勝をあげたことを考えると、本人としても日本に戻ってくるという選択をするとは考え難い。少なくてもシーズン途中・あるいはキャンプ中にでも解雇されれば別だが、それでも来年一年はメジャーへの復帰を目指すのではないのだろうか。 高橋 尚成(39)に関しては、日本復帰の可能性は高いとみている。またその時に横浜を選択する可能性も、けして低くはないだろう。仮にいまの高橋にどのぐらい力を残っているかはわからないが、藤井への刺激剤としての役割は期待できるだろう。その他では、怪我で全くメジャーで実績を残せなかった 和田 毅(33)なども、左の先発&年齢的にも魅力という部分はあるが、ここ2年の成績を観るかぎり、高橋以上に戦力になるかは怪しい。また横浜とは縁も縁も無さそうな選手なので、うちしか手をあげないとか破格な条件を提示するなどアドバンテージがない限りどうだろうか? <新外国人を考える> この球団は、伝統的に外国人投手の成功例が殆どない。特に先発投手に関しては、球団創設以来まともな助っ人を私自身知らない。今年も例外なく、他球団から獲得したソトでさえ働かないのに加え、シーズン途中で連れてきたココーランなども使い物にならなかった。 そんな中、日本で実績のある外国人で他球団への移籍が考えられるのが ウルフ(34・日ハム) 22試合 9勝6敗 防御率 3.05 が目玉的存在になる。当然他球団も狙ってくる選手ではあるが、獲得に名乗りをあげるのは間違いないだろう。少なくても計算できないできるに関わらず、先発ができる外国人獲得は、必ず行われるはず。 <トレード考える> 実際トレードにどのぐらいの選手まで出せるのか? 大きな出血を伴うトレードは現実的ではないだろう。その候補も多岐に渡るので難しいが、可能性があるのならば、実績はあってもここ数年は落ち目の選手などになるのではないのだろうか。例えば 渡辺 俊介(38・ロッテ) 6試合 0勝4敗 防御率 4.62 永井 怜 (30・楽天) 10試合 2勝4敗 防御率 3.46 ただ今年の成績を観る限り、現有戦力の刺激剤にはなっても、来季計算できるのかと言われると微妙。他球団のローテーション投手を獲得するのには、相当な出血を覚悟しなければならない。その他、他球団の退団者で興味を示していると言われるのが、川上憲伸(中日)と吉見祐治。 川上 憲伸(39・中日) 5試合 1勝1敗 防御率 3.21 吉見 祐治(36・ロッテ) 5試合 0勝1敗 防御率 3.86 2人とも全盛期の力を望むのは無理だが、思いのほか一軍も二軍の成績も悪く無いのではあるのだが・・・。 <ドラフトを考える> ドラフトに関しては、人材の薄い今年に限らず、毎年即戦力で先発を期待できるのは2巡目のはじめぐらいまで(小川や則本などがその例)。今年の2位指名はパ・リーグ球団からであり、5位の我がベイスターズは4番目の指名となる。この段階で、開幕ローテーションを期待できる投手がどの程度残っているのかは微妙だと言わざるえない。むしろリリーフ投手に関しては、上手く見定めれば3位以降でも結構掘り出しものは残っていることがある。 ましてベイスターズの1位指名は、高校生の 松井 裕樹(桐光学園)左腕が確定的。仮に獲得できたとしても、今年の 藤浪晋太郎(阪神)のような、開幕からローテーションに入ってこられるほどの完成度があるかは疑問が残る。ましてハズレた時を考えると、石川 歩(東京ガス)・東明 大貴(富士重工)・浦野 博司(セガサミー)あたりが有力とされており、ローテーション争いは期待できても、計算できるほどの投手ではないと言うのが率直な感想。石川はリリーフとしてならば即戦力として期待できるが、先発としては絶対的なものは感じない。東明もスピードはあるが、変化球レベルが低い。浦野は好調を持続できれば二桁前後見込めるが、それができないからこそハズレ候補に甘んじている。 まして2位以降の選手は、ローテーションというよりはリリーフでならという選手が中心。粗削りで未完成な今年の井納タイプか、まとまっているがスケールダウンの選手にローテーションの期待をかけることになる。2位以降で先発が期待できる可能性があるとすれば、久里 亜蓮(亜大)・高梨 裕稔(山梨学院大)・岡本 健(かずさマジック)・三上 朋也(JX-ENEOS)・吉原 正平(日本生命)・又吉 克樹(香川OG)などの人材の中から、使える選手を見出す必要がある。 (先発陣の補強のまとめ) いずれの方法を駆使して、なんとか先発争いが期待できる投手を5人は獲得したい。それができれば現有戦力との競争を煽り、他球団と戦えるだけの戦力を整えられるのではないのだろうか。 (リリーフ編) 昨年までは、リリーフ陣は比較的他球団と遜色がないというのが、ここ数年のベイスターズでした。しかし今年は、ほぼ壊滅状態となり、リリーフ陣も立て直しが求められます。まずリリーフ陣の目安は、防御率2点台(最低でも 3.50位内)。まず今年主に登板したリリーフ陣の成績を見て考えます。 藤江 均 (28) 25試合 3勝1敗0S 7H 防御率 1.27 小林 寛 (25) 24試合 2勝1敗0S 2H 防御率 2.76 大原 慎司(29) 58試合 2勝0敗2S17H 防御率 3.00 林 昌範(31) 14試合 0勝0敗0S 2H 防御率 3.00 クローザーのソーサを除き、大原・林に若干おまけして入れても、この4人しか基準を満たしていないことがわかる。更に大原を除けば、あとの3人は年間を通して活躍したわけではないので、来年も計算できるのかと言われると微妙。この他では、 大田阿斗里(25) 38試合 2勝4敗0S 5H 防御率 3.72 長田秀一郎(34) 24試合 2勝0敗0S 5H 防御率 3.86 加賀 繁 (29) 48試合 1勝4敗0S 9H 防御率 3.97 むしろシーズン通しての貢献という意味では、この3人の方が高いぐらい。しかしこの成績では、他球団じゃ信頼してもらえる安定感ではないことがわかる。ただこの辺あたりまでは、来年も期待をかけられる面子ではある。むしろそれ以外の面子は、戦力としては信頼できなかった。当然昨年までのクローザーである 山口 俊(27)や昨年頑張った菊地 和正(32)の巻き返しには期待したい。実際一年の中で、年間を通して信頼できたのは、大原 と ソーサ だけだったということになる。 (リリーフの補強を考える) <配置転換を考える> 一番手っ取り早いのは、先発陣を強化すれば必然的に、それまで先発をしていた選手があぶれリリーフにまわることで、リリーフ陣を厚くする方法。特に先発としては期待込みで起用された須田・井納あたりは、来年も同様のレベルならば、後ろにまわすべきだろう。むしろリリーフ陣の大原や加賀の方が、先発の適正の方が高いのではないだろうか。 また2年契約で残留した ソト(32)などは、球種が少なく先発よりもリリーフの方が適正が高いと思われる。左のリリーフ陣が薄いので、上手く配置転換して、今いる戦力の新たな可能性を模索することが第一ではないのだろうか。このチームは、こういった融通が物凄く下手。 <若手を抜擢する> 特にファームでは、クローザーを勤めた 冨田 康祐(26)や 北方 悠誠(20)などの、150キロ以上を投げられる若手も控えているので、来季は積極的に勢いのある若手を重用して欲しいと思います。 冨田 康祐(26) 31試合 5勝0敗12S 防御率 1.95 北方 悠誠(20) 9試合 1勝0敗 1S 防御率 1.72 <補強を考える> リリーフ投手はドラフト下位指名でも、上手く見出だせば使える選手を見出すことができる。下手すれば他球団を解雇された選手でも翌年戦力になるものも少なくない。また大きな出血を伴わくても、昨年の長田秀一郎レベルの選手の獲得は、けして難しい話ではない。 FAでは有力なリリーフ投手の宣言もなさそうだし、むしろ資金を先発投手の獲得に集中させたいところ。また大きな出血してまで、他球団からリリーフを獲得する必要があるかは微妙だろうし、リリーフ専門の助っ人を獲得する優先順位も低い。そこで考えられる方法は 1、海外からの復帰組 岡島秀樹(37)や建山 羲紀(38)など実績のあるリリーフも、今やメジャーでの居場所を失っている。実際どのぐらいの力が残っているのか微妙だが、その辺の見極めができたならば積極的に獲得に行って好いだろう。昨年 斎藤 隆 が売り込んできたのに、OBにも関わらずスルーした経緯がある。方やリリーフ陣を崩壊した横浜に比べ斎藤は 斎藤 隆(43) 30試合 3勝0敗4S4H 防御率 2.36 で楽天優勝に貢献。もし彼がリリーフ陣にいたら、もう少しリリーフ陣を楽にまわすことが出来ただろうし、逆転負けを許す試合も未然に防げたかもしれない。CS出場を逃したのは、こういった一つ一つの判断ミスの積み重ねなのではないのだろうか。 2、ドラフトを考える 私は、今年のドラフトで上位4名中、3人ぐらいまでは投手で好いと考えている。その3人の内訳は、2人が先発候補・そして一人がリリーフ候補だと考える。2位以降でも、白村 明弘(慶大)・西宮 悠介(横浜商大)・三上 朋也(JX-ENEOS)・金平 将至(東海理化)・秋吉 亮 (パナソニック)・吉原 正平(日本生命)などなど、勢いのあるボールを投げられる選手は残っているはず。いかに上手く立ち回れるのか、スカウトの腕の見せ所ではある。 (クローザーを考える) クローザーというのは、チームの中でも特別な存在であり、一リリーフとはその意味合い・重圧は遥かに違う。そんな役割を今年は、 ソーサ(37) 55試合 3勝4敗19S11H 防御率 1.79 実際数字ほど絶対的な印象がないのは、常に登板する試合でランナーを背負う苦しい展開が多かったからではないのだろうか。そのため、かなり微妙なところで踏ん張っていた印象は否めない。来季37歳ということも考えると、彼に来年期待してもダメだった時の準備は考えておくべきだろう。 当然その一番手は、昨年まで他球団にヒケを取らない実績をあげてきた 山口 俊 の復活しかありえない。 山口 俊(27) 44試合5勝2敗7S 防御率 5.40 今年もボールの走り自体は変わらなかったのだが、相変わらず「開き」の早いフォームは改善されず、同じような過ちを繰り返している。これを修正できないのは、本人の発想力の乏しさだけでなく、それを指導できない投手コーチに責任がある。そういったことを指導できる指導者に、ぜひ就任してもらいたい。 (投手編のまとめ) とにかく先発ローテーションに入る可能性のある選手を、最低5人は新たに集めて来い!すべてはそこから始まると言って過言ではない。そのことができれば、現有戦力の競争を煽ることができるだろうし、配置転換も可能。この目標を明確に掲げ、オフは取り組むべきではないのだろうか。 その方法論の一例は、上記に長々と書いた通り。様々なアプローチはあると思うが、いろいろ駆使して頑張って欲しい。まずは、先発補強にすべてを集中させて、戦力強化に取り組んで頂きたい! |
2013年 横浜の進むべき道!(野手編) |
今年もベイスターズの今後を考えるシリーズ、2013年度版を更新する季節がやって参りました。今季のベイスターズは久々に最下位を脱出。それだけにオフシーズンの取り組み次第では、来季悲願のCS出場を果たすか、元の定位置に戻るのか決まってくると言っても過言ではないでしょう。 下記に記載されている昨年の展望を読みなおして頂くと、オフシーズンに投手陣の整備が進まず、昨年と変わらない結果に陥ることは、大方予想ができました(補強も進まず、首脳陣も変わらずなので)。しかし投手陣の陰に隠れて、野手陣もヤバイということを書きましたが、その野手陣に関しては今年大幅な戦力アップに成功。そしてそれは、如実にシーズンにも現れました。今年の打撃成績は( )は昨年の順位。 得点 1位(5位) 本塁打 3位(5位) 盗塁 6位(4位) 打率 1位(同率最下位) と数字の上でも明らかでした。これに加え、失策数の少なさもリーグ上位(僅差の3位)であることを考えると、野手全般のレベルアップは飛躍的だったと評価できます。しいていえば、中畑政権1年目は結構足を生かすプレーだったのが、執拗に走らなくなったことが気になりました。その部分を除けば、文句なし評価できる一年だったと言えるでしょう。ただその打線を持ってしても、得失点差が50点以上ある投手陣に問題があるのは明らかなのですが、今回は野手陣のあるべき姿について考えてみましょう。いつものように「1ポジション4人制」を使い、ポジション別に考えてみます。年齢は来年のもの。赤字は補強箇所を指します。 <一塁> レギュラー : ブランコ(34) 対抗 : 後藤 (34) バックアップ: 飛雄馬 (23) 育成 : なし 打率・打点王の2冠に輝いたブランコの加入で、打線に軸ができました。このことが他の野手にも波及して、リーグ屈指の打撃陣に生まれ変わる原動力になったと言えるでしょう。そのブランコは来季も2年契約で健在ですが、腰痛などに苦しめられシーズン中盤以降は苦しいシーズンでした。そういった苦しいブランコの穴を埋めたのが、後藤(34)の見事な活躍。後藤は右の代打としても存在感を示し、一塁しか守れないにも関わらず 62試合 6本 14打点 打率.284厘 と控えとしては申し分のない働きでした。ある意味、この二人がいれば一軍枠は埋まってしまいます。 バックアップの必要性は薄いポジションなのですが、ファームの試合や二人が欠けた時のために飛雄馬をあてはめておきます。今季はファームで、79試合 6本 22打点 2盗塁(0失敗) 打率.255厘 と及第点は与えられます。内野は全ポジション守っていますが、最も出場数が多いのは一塁の33試合。元来はニ遊間を担って欲しい人材ですが、一番チャンスを得られるのは一塁ということになりそうです。この選手長打力で魅了するタイプではありませんが、意外性のあるパンチ力は秘めています。このポジションは、育成段階の年齢の選手がおりませんので補強ポイントだとは思います。ただ将来的にも外国人で穴埋めされる可能性が高いので、高い順位で獲得するポジションではないと考えます。ドラフトでは、園部 聡(聖光学院)・奥浪 鏡 (創志学園)・山川 穂高(富士大)あたりの打撃重視型の選手が下位まで残っていたら、積極的に取りにいって欲しいところ。 <二塁> レギュラー :石川 (28) 対抗 :内村 (28) バックアップ:宮崎 (26) 育成 :桑原 (21) チームリーダーの石川が、シーズン中に遊撃から二塁へコンバートされました。元々二塁の方が合っている選手でしたから、このまま来季は不動のレギュラーになる可能性が高いです。また内村も足のスペシャリストとしての役割がありますから、レギュラーでなくても一軍での需要があるでしょう。今シーズンは、.206厘 と石川を脅かすまでには至らず、打力の向上が求められます。 このポジションも、石川・内村の二人が強力なので、バックアップの人材は薄くても仕方ありません。とりあえず誰がいいか考えたのですが、宮崎をあてはめました。実際の宮崎は石川や内村との二塁争いというよりは、中村ノリや筒香との三塁争いの色彩が強いと考えます。しかしここでは、一応宮崎をあてがってみます。また育成に誰を持って来るか悩んだですが、来年で育成段階卒業を目指して 桑原 をあてはめました。この選手、二塁と外野での出場が同じぐらいなので、どちらに割り振るかは難しいのですが。本音で言えば、彼は中堅手向きだと思っています。ファームでは、90試合 2本 27打点 9盗塁(失敗6) 打率.270厘と順調に成長しています。もしこの形を維持するのであれば、ドラフトでの補強を進める必要性は低いはず。ただ桑原を外野の人材と考える場合は、育成に入る高校生を獲得する必要に迫られます。 <遊撃> レギュラー :梶谷(26) 対抗 :山崎(28) バックアップ:白崎(24) 育成 :なし シーズン途中で、梶谷がいきなり覚酔してしまったので、彼がレギュラーの一番手なのは間違いありません。特に昨年と違い、石川が二塁に行ったので彼にかかる期待は高まります。僅か77試合で、16本 44打点 7盗塁(4失敗) 打率.346厘 の成績ですから、来年はレギュラーを期待。そしてようやく一軍で戦える力を身につけてきた山崎が控えとなります。山崎も一軍で 115試合 3本 23打点 1盗塁(3失敗).249厘 と何処でも守れるユーティリティぶりは貴重な存在 。更にドラフト1位の 白崎もおり、一軍で47試合 0本 1打点 0盗塁(1失敗)打率.212厘 と数字は物足りないものの経験を積めたことは来年に向けて大きいはず。 こうやってみると遊撃部門は埋まっていることからも、補強するとするならば、育成部門に入る高校生だというのがわかる。渡辺 諒(東海大甲府)や大友 祥之(学法石川)などの将来性豊かな高校生も欲しいところだが、ここも優先順位は低いので下位指名や育成で埋め合わせる形になるのではないか。守備だけなら一級品の、地元・金子 一輝(日大藤沢)などの名前もあがります。 <三塁> レギュラー :中村 (41) 対抗 :筒香 (23) バックアップ:内藤 (31) 育成 :渡邊 (21) 今季よくやってくれたとはいえ、ポスト中村紀洋 の育成・獲得は急務だと言えよう。それでも 122試合 14本 61打点 打率.281厘 という数字を残している以上来季もレギュラーに一番近い位置にいるのはノリ。ポスト中村の一番手は、やはり筒香ということになるでしょう。今年は波に乗り切れずあっさりポジションを明け渡す形になりましたが、来季はノリからポジションを奪い取ることが求められます。ここにはセカンドのバックアップ要員である宮崎も、筒香と同じような立場で三塁のポジション争いが展開されることに。 二軍にいるバックアップは、一応内藤をあててみた。内藤は、今季一軍出場無し。ファームでも 95試合 3本 26打点 3盗塁(1失敗) 打率.246厘という数字だけに、いつ解雇されても不思議ではない。今後の補強の進み具合では、この辺は変わってきそうだ。育成は高卒3年目を迎える、渡邉 となる。今季もファームで 53試合 2本 8打点 0盗塁(1失敗)打率.158厘 と活躍もままならず、アマとの交流戦やフューチャーズでの出場が多い。このまま行くと、枠の関係で育成枠に落とされて不思議ではない状況。いずれにしてもドラフト3位で獲った選手だけに、もう一年は育成期間として様子をみたい。この形を維持するのであれば、三塁補強の必要性は低いだろう。 <右翼> レギュラー :荒波 (28) 対抗 :金城 (38) バックアップ:赤堀 (27) 育成 :乙坂 (20) モーガンの去就次第で流動的ではあるが、ここではモーガンが残留することを前提として考えたい。レギュラーに一番近い位置にいるのは、荒波(28)だろう。126試合 2本 30打点 19盗塁(9失敗)打率.258厘 と、一番打者を任せるには出塁率がやや低いのと、二番打者を任せられるような、つなぎ役が出来ないのが最大のネック。しかし守備・走塁での貢献度は高いだけに、現状一番レギュラーに近いのは荒波ということになる。また荒波とレギュラーを争うのは実績充分の金城で、118試合 6本 36打点 3盗塁(0失敗) 打率.291厘 と頼りになるベテランは未だ健在。 3番手に誰を持って来るか悩んだが赤堀を入れてみた。赤堀はそれほど守備範囲は広くないものの強肩で、適正ならば中堅より右翼の方が合いそう。今季は殆どファームで過ごしたが、108試合 8本 37打点 2盗塁(2失敗) 打率.230厘と対応力は低かったものの、基礎構築に励んだ。むしろファームでの実績ならば赤堀以上だろうが、高卒3年目の乙坂を育成に入れてみた。今季は二軍で、89試合 1本 12打点 14盗塁(4失敗)打率.234厘 とやや伸び悩み。来季は、育成段階を卒業するつもりで圧倒的な数字を期待したい。やや他のポジションに比べると、ライトは混戦模様。 <中堅> レギュラー :モーガン(34) 対抗 :松本啓 (27) バックアップ:西森 (27) 育成 :なし モーガンが残留すれば、このポジションは彼で固定できるだろう。来日一年目は、日本野球への対応が遅れたものの、中盤以降は持ち味を発揮。最終的には、108試合 11本 50打点 3盗塁(2失敗) 打率.294厘 の成績を残した。2年目で日本の野球に馴れることを考えれば、開幕当初のような極端な不調もないだろうし、15本 70打点 3割以上は期待したいところ。彼の場合、外人では珍しく守備の貢献度が高く、またチームを盛り上げるムードメーカーの役割も果たす。もし彼の代わりを探すのであれば、25本 80打点級以上 の成績を見込める選手ではないと意味はない。まぁモーガンの控えとしては、一応ここでは松本啓二朗をあてはめてみる。ようやく今年は一軍で通用する打力を身につけ 72試合 4本 14打点 0盗塁(1失敗)打率.247厘 との数字で、更にこの経験を活かして飛躍を期待したいところ。 ラミレス・森本・小池 の3人が抜けた外野陣だけに、捕手登録だった西森を、捕手と両睨みでここにあてはめてみた。俊足・巧打ぶりには定評があり、ファームでは 81試合 0本 9盗塁(4失敗) 打率.297厘 と捕手以外での需要が高い。捕手もできる外野手、そんな位置づけで一軍入りを狙う。 本当は二塁も守る桑原をこちらの育成ポジションに持って来ようとも思ったのだが、今回は二塁ではめてみた。いずれにしてもニ遊間候補の高校生もしくは、守備・走力でアピールできる高校生野手をドラフトで一人加えたいということになる。ある程度守備力がある高校生となると上林 誠和(仙台育英)、関根 大気(東邦)などの名前もあがるが、やはり上位で野手を獲得できるチーム事情ではないので、下位指名もしくは育成枠あたりで一名ということになるだろうか。穴っぽいところで言えば、守備・走力の身体能力は高い 桑原 大輝(福知山成美)あたりを育成枠で指名して、兄弟プレーヤー誕生なんていう可能性もあるかもしれない。 <左翼> レギュラー :多村 (37) 対抗 :井出 (30) バックアップ:下園 (30) 育成 :なし 一番レギュラーに近い位置づけなのは、多村ということになるだろう。今季一軍で、96試合 12本 39打点 打率.261厘とラミレスの不調を埋めてくれた。しかし年齢も年齢だし、元々怪我が多い選手だけに計算し難い。また多村からポジションを奪う人材として井出・下園 ではやや心許ない。そこで他に人材を募るとするならば、三塁候補の筒香をチーム事情に合わせて両睨みで起用してみても好いのではないだろうか。実際に今年は、筒香が左翼を守るケースも何回かあった。 控えは、昨年成長した井出・実際のある下園などをあてがっているが、他の外野の控え選手にも全員そのチャンスがある。井出は試合数こそ33試合と少ないが、打率.310厘を一軍で残したし、レギュラー経験のある下園も控える。問題は、このポジションを今の面子では完全には固定し切れないだろうということ。 育成段階の選手もいないことを考えると、ここは守備・走力・守備力は多少目をつむっても強打の外野手を欲しいところ。そういった意味では、横田 慎太郎 (鹿児島実業)外野手や場合によっては岡 大海(明大)外野手あたりを上位で指名するというプランまで考えられる。外野は余剰気味ではあったが、右翼にしても左翼にしても絶対的な選手がおらず、その上モーガンまでチームを離れた場合、いよいよポジションが固定できなくなる可能性すら秘めている。 <捕手> レギュラー :鶴岡 (37) 対抗 :黒羽根(27)・高城(21) バックアップ:つる岡(26) 育成 :モスカテル(23)・なし FA移籍2年目の鶴岡が、打撃面でアピールして正捕手に座った。108試合 3本 40打点 打率.250厘をマーク。これにスローイング球界NO.1の黒羽根や次代を担う高城などは、この鶴岡を越えて行かなければならない。そういった意味では、来季もこの構図は変わらない。 そのほか育成でも一軍争いでもないのは、もう一人の鶴岡。それに外野も兼任するの西森などがいる。一応西森も入れると6人捕手はいるので、何かしらの形で補強するにしても、1名程度で好いのではないのだろうか。どうしても捕手は他のポジションへの融通が効かないので、余剰気味になってしまう。 ただ細山田・松下の二人の捕手の退団で、ドラフトでは誰かしらの補強はすると思われる。モスカテルがまだ育成レベルだと考えるならば大学・社会人あたりから選手を獲得する可能性も否定できない。あえてその場合は、嶺井 博希(亜大)や吉田 裕太(立正大)、岡田 雅利(大阪ガス)捕手など、ある程度形が出来ている捕手を取るか、あるいはそろそろ高城より下の世代の高校生捕手の獲得も考えられる。石川 亮(帝京)・喜多 亮太(敦賀気比)・緒方 壮助 (樟南)などの高校生捕手を、下位で狙うという可能性もありそう。FA で、鶴岡 慎也(日ハム)などに興味があるとの話もあるが、いま外部から捕手を獲得する時期ではないように思う。あくまでも若手とベテランの競争で、このポジションは好いのではないのだろうか。 (最後に) どうしても野手の補強は、投手に比べると優先順位が落ちる。特に野手は、ベテランVS若手 の構図が出来上がっているポジションも多く、大きな出血をしてまで補強する必要性は低い。ただ外野のポジションが固定できていない問題もあり、もし外野手ならば上位指名で一人獲得する可能性は否定できない。またモーガンよりも長打・打点を稼げる選手の見込みがあるのならば、外野で大きな動きがあっても不思議ではない。 ドラフトでは次代を担う野手不足は否めないので、上位を即戦力投手、下位を野手という指名で固めるのが理想ではないのだろうか。トレードやFAでの大きな出血が難しいだけに、あえてドラフトで岡(明大)外野手・山川(富士大)内野手・嶺井(亜大)捕手あたりを獲得して競争を煽るという方法もある。投手に比べ優先順位は低いが、内野2人・外野2人・捕手1人のドラフト(育成枠含めて)での補強は不可欠ではないのだろうか。 |